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大宮地域の民話 第21話:長者と牛石

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第21話:長者と牛石
   
むかし、三美村(今の常陸大宮市三美)に清兵衛(せいべえ)という若者がいました。たいそうな働き者で、村の人たちがみんな、「清兵衛さんはよく働いて偉えもんだ。」とほめるほどでした。そのかいあって、清兵衛さんはお金がたまり、「長者」と言われるまでになったのです。清兵衛さんは長者になると、道楽を始めました。それは、家の普請と庭つくりなのです。立派な家なのに、毎日大工や左官や庭師を出入りさせていました。近所の人たちが、長者の家に行くと、だれも、「いやあ、立派な家だ。」「すばらしい庭だ。」と、ただびっくりするばかりです。長者は、みんなにほめられるのが嬉しくてたまりません。さらに珍しい石や、変わった木を運び込みました。それを運ぶのは、ずっと前から長者の家に飼っていた一頭の牛でした。牛は黙々と働き、長者の家がこんなに富み栄えたのも、一つにはこの牛のお陰だったのです。しかし、その牛もだんだん年をとって弱っていきました。長者はそれに気づきません。家や庭をつくるのに夢中だったからです。「もっと大きな石を持ってきてくれ。」「もっと大きな木が欲しい。」と、山から運ばせました。けわしい山道を牛は毎日、毎日運んだのです。那珂川から砂利や小石を荷車に積んで運ぶこともありました。
長者と牛石
道もないようなところを年とった牛は、弱った体の力をふりしぼって運んだのです。ある日のことです。下男が長者のところへあわてて駆け込んできました。「旦那さま、大変です。牛めが弱って死にかかっています。」長者はびっくりしました。牛のことなんか、一度も考えてみたこともなかったからです。死にかかっているというので牛小屋に行ってみました。長者は小屋を見てびっくりし、「何てひどい小屋だ。」と、思わず声を出しました。牛に近づいて見ると、もう死んでいるではありませんか。長者は、はらはらと涙を流し、「あんなによく働いてくれたのに、わしはこの牛に何もしてやらなかった。」と、牛にわびました。そして、「手厚く葬ってやろう。」と思いました。ねんごろに葬ったあと、村人に頼み、牛の形をした大きな石を見つけてもらいました。墓の近くにその牛石を置き、長者は毎日、お参りして供養をしました。そして、家を建て替えたり庭を造ったりすることをぷっつりと止めました。やがて長者もなくなり、あの立派だった家も一代でつぶれてしまいました。村人たちは、「ぜいたくな家を建てると、牛石のたたりがある。」と、永く言い伝えたということです。この牛石は、三美から野口(常陸大宮市)に通ずる旧街道わきに、今も残っています。

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